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要望書


                                         2004年6月8日
文部科学大臣 河村建夫 殿
                             「地域の学校で学ぶ視覚障害児(者)の
                             点字教科書等の保障を求める会」
                                        代表 野々村好三

      地域の学校で学ぶ視覚障害児(者)の点字教科書の保障を求める要望書

 時下益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。
 貴職におかれましては、平素より、ノーマライゼーションの進展を踏まえ、弱視児童・生徒が使用する拡大教科書の無償化の実現をはじめ、地域の小中学校・高等学校で学ぶ障害児の教育の充実にご尽力くださり、ありがとうございます。
 私達は、関西を中心に、地域の学校で学ぶ視覚障害児(者)、その保護者、そしてそれを支援する者が集まり、点字教科書の全面保障をはじめ、学習環境等の整備実現をめざし、約20年に渡って、全国的に活動している市民団体です。
 1993年に国連で「障害者の機会均等化に関する基準規則」が採択されるとともに、ユネスコで「サラマンカ宣言」が採択されました。そして、1994年には「国連人権教育の十年」決議が採択されました。それらにより、世界では障害児が地域の学校に籍を置くという「原則統合」の方向性が打ち出されています。
 我が国でも、多くの市町村において、いち早く「ノーマライゼーション」の理念を取り入れ、地域の学校における障害児教育が実践されてきました。
 視覚障害児に関しても、地域の学校に通い始めてから約30年が経過し、今や一部の地域に限られたものではなく、全国的な広がりが見られるようになってきました。
 受け入れ体制や学習環境は、本人及び保護者の希望を真摯に受けとめてくださる現場の先生方のご尽力などにより、当初の頃と比べて着実に前進してきました。また、パソコンの普及により、パソコン点訳が標準となったばかりでなく、電子データのやり取りも容易になりました。

 しかし、点字教科書・教材の供給という「バリアフリー化」が進んでいないのが現状です。
 現在、当会が把握しているだけでも、点字教科書を必要とする40名の視覚障害児が、全国
の小中学校・高等学校の通常学級、もしくは特殊学級で学んでいます。しかし、国による点字教科書の無償給付が受けられないために、都道府県、市町村によって、点字教科書の保障に
大きな格差が生じているのが現状です。(2003年10月、当会調べ)
 そして、点字の教科書が保障されていない場合、保護者が個人的にボランティアに点訳依頼する、もしくは保護者自身が点訳する、という状況が強いられ、金銭的・労力的な個人負担が大きいのが現状です。実際に専門機関に依頼すれば一冊20万円を下回らない点訳労働を、保護者・ボランティアが担っている状況であり、子供の授業開始に間に合わせるために、仕事を辞め、1日3,4時間まで睡眠時間を削りながら点訳作業を行っている保護者もいます。

 「21世紀の特殊教育のあり方」(最終報告)では、「これからの障害児教育は障害のある児童・生徒等の視点に立って一人ひとりのニーズを把握し、必要な支援を行う。」とされています。点字を使用する通常学級在籍の視覚障害児の場合にあっても、適切にニーズにこたえ、点字教科書を保障されることを強く望みます。

 また、昨年5月、遠山前文部科学大臣は、国会において「弱視児が例外なく拡大教科書を使えるよう にするのは行政の責任」と答弁しました。通常学級・特殊学級に通う視覚障害児の点字教科書についても、当然国が責任を負うべきものであると私達は考えます。
 現状では、視覚障害児が盲学校に通えば点字教科書が無償給付されますが、通常学級に通っていれば、無償給付が受けられません。また、通常学級に通う視覚障害児であっても、拡大教科書を使う児童・生徒が無償給付され、点字教科書を使う児童・生徒が無償給付を受けら
れないということになります。

 義務教育下の教科書は無償であり、誰もが、その能力に応じて等しく教育を受ける権利を有しているにも関わらず、障害の有無・種類、選んだ学校・学級の違い、社会資源の充実度、生まれ育った地域、経済的状況によって格差が生じている現状は極めて不平等であり、憲法14条・26条、児童の権利に関する条約23条・28条及び教育基本法3条の精神に反すると私達は考えます。

 どの学校・どの学級に在籍しようとも、点字を必要とする子ども総てに点字教科書が無償給付されるよう、以下要望致します。

 ご多忙のことと存じますが、6月末日までに、本要望についての貴職のお考えと対応策を、文
書で下記返送先までご回答いただくとともに、私達と協議の場をもってくださいますようよろしくお
願い申し上げます。

 なお、本要望書につきましては、その趣旨と内容を広く市民のみなさまにご理解いただくため
に、提出日同日付で本会ホームページにて一般公開することをお知らせいたします。


                            記

一、 通常学級・特殊学級への在籍の別を問わず、地域の小中学校、高等学校で学ぶ視覚障害児童・生徒が使う全ての点字教科書を国の責任において保障してください。

                                                     以上

ご返送先:地域の学校で学ぶ視覚障害児(者)の点字教科書等の保障を求める会事務局

  住所省略

本会ホームページ:http://motomeru.soc.or.jp/




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